最三小決 平成27年5月18日 出頭在廷命令に係る過料の制裁の合憲性
2015年7月16日
判決(決定)の概要・要旨
- 刑訴法278条の2第1項による公判期日等への出頭在廷命令に正当な理由なく従わなかった弁護人に対する過料の制裁を定めた同条の2第3項は、訴訟指揮の実効性担保のための手段として合理性、必要性があるといえ、弁護士法上の懲戒制度が既に存在していることを踏まえても、憲法31条、37条3項に違反するものではないとした事例。
基本情報
裁判年月日 |
平成27年5月18日 |
裁判所 |
最高裁判所 第三小法廷 |
裁判の種類 |
決定 |
主文 |
|
担当裁判官 |
大谷剛彦 岡部喜代子 大橋正春 木内道祥 山崎敏充 |
意見 |
– |
事件番号 |
平成27年(し)第149号 |
事件名 |
弁護人に対する出頭在廷命令に従わないことに対する過料決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件 |
原審裁判所 |
大阪高等裁判所 |
原審事件番号 |
平成26年(く)第590号 |
原審裁判年月日 |
平成27年2月26日 |
最三小決平成27年5月18日(裁判所ホームページ)
関係法令等
刑事訴訟法
- 第278条の2 裁判所は、必要と認めるときは、検察官又は弁護人に対し、公判準備又は公判期日に出頭し、かつ、これらの手続が行われている間在席し又は在廷することを命ずることができる。
- 2 裁判長は、急速を要する場合には、前項に規定する命令をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。
- 3 前二項の規定による命令を受けた検察官又は弁護人が正当な理由がなくこれに従わないときは、決定で、10万円以下の過料に処し、かつ、その命令に従わないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
- 4 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5 裁判所は、第3項の決定をしたときは、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求しなければならない。
- 6 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。
日本国憲法
- 第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
- 第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
- 2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
- 3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
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