最三小決 平成27年5月19日 労働基準法114条の付加金の訴額への不算入

2015年7月16日

判決(決定)の概要・要旨

  • 労働基準法114条の付加金の請求については、同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは、民訴法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして、その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されないものと解するのが相当とした事例。

基本情報

裁判年月日 平成27年5月19日
裁判所 最高裁判所 第三小法廷
裁判の種類 決定
主文
  • 原決定を破棄し,原々決定を取り消す。
  • 抗告人に対し,4万8000円を還付する。
  • 手続の総費用は抗告人の負担とする。
担当裁判官 木内道祥 岡部喜代子 大谷剛彦 大橋正春 山崎敏充
意見
事件番号 平成26年(許)第36号
事件名 手数料還付申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
原審裁判所 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成26年(ラ)第681号
原審裁判年月日 平成26年7月24日

最三小決平成27年5月19日(裁判所ホームページ)

関係法令等

労働基準法
(休業手当)

  • 第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

(付加金の支払)

  • 第114条 裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から二年以内にしなければならない。

民事訴訟法
(併合請求の場合の価額の算定)

  • 第9条 一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。
  • 2 果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。