最一小判 平成26年9月25日 固定資産税の納税義務

2014年11月18日

判決(決定)の概要・要旨

  • 土地又は家屋について、賦課期日の時点(毎年1月1日)において登記簿又は補充課税台帳に登記等がされていない場合でも、賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記等がされている者は、当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負う。

基本情報

裁判年月日 平成26年9月25日
裁判所 最高裁判所 第一小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 原判決を破棄する。
  • 被上告人の控訴を棄却する。
  • 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
担当裁判官 横田尤孝 櫻井龍子 金築誠志 白木勇 山浦善樹
意見
事件番号 平成25年(行ヒ)第35号
事件名 固定資産税等賦課取消請求事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号 平成24年(行コ)第89号
原審裁判年月日 平成24年9月20日

最一小判平成26年9月25日(裁判所ホームページ)

関係法令等

地方税法
(固定資産税に関する用語の意義)

  • 第341条 固定資産税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    • 一~十 (略)
    • 十一 土地補充課税台帳 登記簿に登記されていない土地でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものについて第381条第2項に規定する事項を登録した帳簿をいう。
    • 十二 (略)
    • 十三 家屋補充課税台帳 登記簿に登記されている家屋以外の家屋でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものについて第381条第4項に規定する事項を登録した帳簿をいう。
    • 十四 (略)

(固定資産税の納税義務者等)

  • 第343条 固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。)に課する。
  • 2 前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律第2条第2項の区分所有者とする。以下固定資産税について同様とする。)として登記又は登録されている者をいう。この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているとき、若しくは所有者として登記又は登録されている法人が同日前に消滅しているとき、又は所有者として登記されている第348条第1項の者が同日前に所有者でなくなつているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。
  • 3 第1項の所有者とは、償却資産については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいう。
  • 4~9 (略)

(固定資産税の賦課期日)

  • 第359条 固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。

(申請又は申告をしなかつたことによる固定資産税の不足税額及び延滞金の徴収)

  • 第368条 市町村長は、不動産登記法第36条、第37条第1項若しくは第2項、第42条、第47条第1項、第51条第1項(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合に係る部分を除く。)、第2項若しくは第3項若しくは第57条の規定によつて登記所に登記の申請をする義務がある者、第383条若しくは第745条第1項において準用する第383条の規定によつて市町村長若しくは道府県知事に申告をする義務がある者又は第394条の規定によつて道府県知事若しくは総務大臣に申告をする義務がある者がそのすべき申請又は申告をしなかつたこと又は虚偽の申請又は申告をしたことにより第417条又は第743条第2項の規定によつて当該固定資産の価格(土地及び家屋にあつては基準年度の価格又は第349条第2項ただし書、第3項ただし書、第4項、第5項ただし書若しくは第6項の規定により当該価格に比準するものとされる価格(以下「比準価格」と総称する。)を、償却資産にあつては賦課期日における価格をいう。以下同様とする。)を決定し、又は修正したことに基づいてその者に係る固定資産税額に不足税額があることを発見した場合においては、直ちにその不足税額のうちその決定があつた日までの納期に係る分(以下本条において「不足税額」という。)を追徴しなければならない。ただし、不足税額と既に市町村長が徴収した固定資産税額との合計額が第349条の4又は第349条の5の規定によつて当該市町村が固定資産税の課税標準とすべき金額に対する固定資産税額を超えることとなる場合においては、当該市町村長が追徴すべき不足税額は、既に徴収した固定資産税額と同条の規定によつて当該市町村が固定資産税の課税標準とすべき金額に対する固定資産税額との差額を限度としなければならない。
  • 2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、不足税額をその決定があつた日までの納期の数で除して得た額に、第362条の納期限(納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下固定資産税について同様とする。)の翌日から納付の日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該不足税額に係る納税通知書において納付すべきこととされる日までの期間又はその日の翌日から1月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。
  • 3 市町村長は、納税者が第1項の規定によつて不足税額を追徴されたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。

(固定資産課税台帳の登録事項)

  • 第381条 (略)
  • 2 市町村長は、土地補充課税台帳に、総務省令で定めるところによつて、登記簿に登記されていない土地でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものの所有者の住所及び氏名又は名称並びにその所在、地番、地目、地積及び基準年度の価格又は比準価格を登録しなければならない。
  • 3 (略)
  • 4 市町村長は、家屋補充課税台帳に、総務省令で定めるところによつて、登記簿に登記されている家屋以外の家屋でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものの所有者の住所及び氏名又は名称並びにその所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び基準年度の価格又は比準価格を登録しなければならない。
  • 5 市町村長は、償却資産課税台帳に、総務省令で定めるところによつて、償却資産の所有者(第343条第8項及び第9項の場合にあつては、これらの規定によつて所有者とみなされる者とする。第383条並びに第742条第1項及び第3項において同じ。)の住所及び氏名又は名称並びにその所在、種類、数量及び価格を登録しなければならない。
  • 6~9 (略)

(固定資産の申告)

  • 第383条 固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(第389条第1項の規定によつて道府県知事若しくは総務大臣が評価すべき償却資産又は第742条第1項若しくは第3項の規定によつて道府県知事が指定した償却資産の所有者を除く。)は、総務省令の定めるところによつて、毎年1月1日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を1月31日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。

(都市計画税の課税客体等)

  • 第702条 市町村は、都市計画法に基づいて行う都市計画事業又は土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるため、当該市町村の区域で都市計画法第5条の規定により都市計画区域として指定されたもの(以下この項において「都市計画区域」という。)のうち同法第7条第1項に規定する市街化区域(当該都市計画区域について同項に規定する区域区分に関する都市計画が定められていない場合にあつては、当該都市計画区域の全部又は一部の区域で条例で定める区域)内に所在する土地及び家屋に対し、その価格を課税標準として、当該土地又は家屋の所有者に都市計画税を課することができる。当該都市計画区域のうち同項に規定する市街化調整区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対して都市計画税を課さないことが当該市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対して都市計画税を課することとの均衡を著しく失すると認められる特別の事情がある場合には、当該市街化調整区域のうち条例で定める区域内に所在する土地及び家屋についても、同様とする。
  • 2 前項の「価格」とは、当該土地又は家屋に係る固定資産税の課税標準となるべき価格(第349条の3第10項から第12項まで、第23項、第24項、第26項又は第28項の規定の適用を受ける土地又は家屋にあつては、その価格にそれぞれ当該各項に定める率を乗じて得た額)をいい、前項の「所有者」とは、当該土地又は家屋に係る固定資産税について第343条(第3項、第8項及び第9項を除く。)において所有者とされ、又は所有者とみなされる者をいう。

(都市計画税の賦課期日)

  • 第702条の6 都市計画税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。