最一小判 平成26年2月27日 権利能力なき社団の不動産登記移転請求訴訟
判決(決定)の概要・要旨
- 権利能力のない社団は、構成員全員に総有的に帰属する不動産について、その所有権の登記名義人に対し、当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有すると解するのが相当である。
- 原判決の主文において「被上告人代表者A」への持分移転登記手続が命じられているが、権利能力のない社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは許されないから、上記の主文は、Aの個人名義に持分移転登記手続をすることを命ずる趣旨のものと解すべきであって、「被上告人代表者」という記載をもって原判決に違法があるということはできない。
基本情報
裁判年月日 | 平成26年2月27日 |
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裁判所 | 最高裁判所 第一小法廷 |
裁判の種類 | 判決 |
主文 |
|
担当裁判官 | 山浦善樹 櫻井龍子 金築誠志 横田尤孝 白木勇 |
意見 | – |
事件番号 | 平成23年(受)第2196号 |
事件名 | 有権移転登記手続等請求事件 |
原審裁判所 | 仙台高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成22年(ネ)第365号 |
原審裁判年月日 | 平成23年7月14日 |
関係法令等
民法
(法人の成立等)
- 第33条 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
- 2 学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
民事訴訟法
(法人でない社団等の当事者能力)
- 第29条 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。
不動産登記法
(判決による登記等)
- 第63条 第60条、第65条又は第89条第1項(同条第2項(第95条第2項において準用する場合を含む。)及び第95条第2項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
- 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
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