最二小判 平成26年11月7日 無許可輸出罪の着手時期

2015年2月8日

判決(決定)の概要・要旨

  • スーツケースを、機内預託手荷物として搭乗予約済みの航空機に積載させる意図の下、機内持込手荷物と偽って保安検査を回避して同エリア内に持ち込み、不正に入手した検査済みシールを貼付した時点で、既に航空機に積載するに至る客観的な危険性が明らかに認められるから、関税法111条3項、同条1項1号の無許可輸出罪の実行の着手があったものと解するのが相当とされた事例。

基本情報

裁判年月日 平成26年11月7日
裁判所 最高裁判所 第二小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 原判決を破棄する。
  • 本件控訴を棄却する。
担当裁判官 鬼丸かおる 千葉勝美 小貫芳信 山本庸幸
意見 補足意見(千葉勝美)
事件番号 平成25年(あ)第1334号
事件名 関税法違反被告事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日 平成25年8月6日

最二小判平成26年11月7日(裁判所ホームページ)

関係法令等

関税法

  • 第111条 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
    • 一 第67条(輸出又は輸入の許可)(第75条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻しを含む。次号及び次項において同じ。)し、又は輸入した者
    • 二 第67条の申告又は検査に際し、偽つた申告若しくは証明をし、又は偽つた書類を提出して貨物を輸出し、又は輸入した者
  • 2 (略)
  • 3 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
  • 4 第1項又は第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。