最一小判 平成26年1月16日 出会い系サイト規制法の合憲性

2014年11月26日

判決(決定)の概要・要旨

  • 通称・出会い系サイト規制法の目的は、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童(18歳に満たない者)を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的とするものであり(1条、2条1号)、思慮分別が一般に未熟である児童をこのような犯罪から保護し、その健全な育成を図ることは、社会にとって重要な利益であり、本法の目的は、もとより正当である。
  • 同法に基づく届出制度は、正当な立法目的を達成するための手段として必要かつ合理的なものというべきであって、憲法21条1項(集会・結社・表現の自由))に違反するものではない。

基本情報

裁判年月日 平成26年1月16日
裁判所 最高裁判所 第一小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 本件上告を棄却する。
  • 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
担当裁判官 山浦善樹、櫻井龍子、金築誠志、横田尤孝、白木 勇
意見
事件番号 平成23年(あ)第1343号
事件名 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律違反被告事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号 平成23年(う)第264号
原審裁判年月日 平成23年6月14日

最小一判平成26年1月16日(裁判所ホームページ)

関係法令等

日本国憲法

  • 21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
(定義)

  • 2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    • 一 児童 十八歳に満たない者をいう。
    • 二 インターネット異性紹介事業 異性交際(面識のない異性との交際をいう。以下同じ。)を希望する者(以下「異性交際希望者」という。)の求めに応じ、その異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達し、かつ、当該情報の伝達を受けた異性交際希望者が電子メールその他の電気通信(電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号 に規定する電気通信をいう。以下同じ。)を利用して当該情報に係る異性交際希望者と相互に連絡することができるようにする役務を提供する事業をいう。

(インターネット異性紹介事業の届出)

  • 7条 インターネット異性紹介事業を行おうとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を事業の本拠となる事務所(事務所のない者にあっては、住居。第3号を除き、以下「事務所」という。)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に届け出なければならない。この場合において、届出には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
    • 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
    • 二 当該事業につき広告又は宣伝をする場合に当該事業を示すものとして使用する呼称(当該呼称が二以上ある場合にあっては、それら全部の呼称)
    • 三 事業の本拠となる事務所の所在地
    • 四 事務所の電話番号その他の連絡先であって国家公安委員会規則で定めるもの
    • 五 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
    • 六 第11条の規定による異性交際希望者が児童でないことの確認の実施の方法その他の業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの
  • 32条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
    • 一 第7条第1項の規定による届出をしないでインターネット異性紹介事業を行った者
    • 二 第9条の規定に違反した者
    • 三 第13条又は第15条第2項第1号の規定による指示に違反した者