最三小判 平成27年5月26日 地方税法17条の6第3項3号にいう「決定、裁決又は判決があった場合」の意義

2015年7月16日

判決(決定)の概要・要旨

  • 個人の道府県民税及び市町村民税の所得割に係る賦課決定の期間制限につき、その特例を定める地方税法17条の6第3項項3号にいう「所得税に係る不服申立て又は訴えについての決定、裁決又は判決があった場合」とは、当該不服申立て又は訴えについてその対象となる所得税の課税標準に異動を生じさせ、その異動した結果に従って個人の道府県民税及び市町村民税の所得割を増減させる賦課決定をすべき必要を生じさせる決定、裁決又は判決があった場合をいうものと解するのが相当であるとした事例。

基本情報

裁判年月日 平成27年5月26日
裁判所 最高裁判所 第三小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 原判決を破棄し,第1審判決を取り消す。
  • 飯塚市長が上告人に対し平成22年8月23日付けでした平成16年度分から同18年度分までの各市民税及び各県民税に係る賦課決定をいずれも取り消す。
  • 訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
担当裁判官 大谷剛彦 岡部喜代子 大橋正春 木内道祥 山崎敏充
意見
事件番号 平成24年(行ヒ)第368号
事件名 市県民税変更決定処分取消請求事件
原審裁判所 福岡高等裁判所
原審事件番号 平成24年(行コ)第9号
原審裁判年月日 平成24年6月28日

最三小判平成27年5月26日(裁判所ホームページ)

関係法令等

地方税法
(更正、決定等の期間制限)

  • 第17条の5 更正又は決定は、法定納期限(随時に課する地方税については、その地方税を課することができることとなつた日。以下この条及び第18条第1項において同じ。)の翌日から起算して5年を経過した日以後においては、することができない。加算金の決定をすることができる期間についても、また同様とする。

(更正、決定等の期間制限の特例)

  • 第17条の6 (略)
  • 3 道府県民税若しくは市町村民税の所得割(所得税の課税標準を基準として課するものに限る。)若しくは法人税割、事業税(収入金額を課税標準として課するもの及び法人税が課されない法人に対して課するもの並びに第72条の50第2項の規定により課するものを除く。)又は地方消費税に係る更正、決定又は賦課決定で次の各号に掲げる場合においてするものは、当該各号に定める日の翌日から起算して2年を経過する日が、前条又は第1項の規定により更正、決定又は賦課決定をすることができる期間の満了する日後に到来するときは、前条又は第1項の規定にかかわらず、当該各号に定める日の翌日から起算して2年間においても、することができる。当該所得割若しくは法人税割とあわせて課する均等割に係る更正、決定若しくは賦課決定又は当該事業税若しくは地方消費税に係る加算金の決定についても、また同様とする。
    • 一 所得税、法人税又は消費税について更正(国税通則法第72条第2項に規定する更正で同条第1項第1号に定める期限から5年を経過した日以後において行われるものを除く。)又は決定があつた場合 当該更正又は決定の通知が発せられた日
    • 二 所得税、法人税又は消費税に係る期限後申告書又は修正申告書の提出があつた場合 当該提出があつた日
    • 三 所得税、法人税又は消費税に係る不服申立て又は訴えについての決定、裁決又は判決(以下この号において「裁決等」という。)があつた場合(当該裁決等に基づいて当該所得税、法人税又は消費税について更正又は決定があつた場合を除く。) 当該裁決等があつた日