最一小判 平成27年2月19日 会社法106条の指定・通知を欠く権利行使

2015年2月20日

判決(決定)の概要・要旨

  • 共有に属する株式について、会社法106条本文の指定・通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても当該権利の行使は適法とならない。
  • 共有に属する株式の議決権行使は、特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるものと解するのが相当とした事案。

基本情報

裁判年月日 平成27年2月19日
裁判所 最高裁判所 第一小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 本件上告を棄却する。
  • 上告費用は上告人の負担とする。
担当裁判官 櫻井龍子 金築誠志 白木勇 山浦善樹 池上政幸
意見
事件番号 平成25年(受)第650号
事件名 株主総会決議取消請求事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号 平成24年(ネ)第5048号
原審裁判年月日 平成24年11月28日

最一小判平成27年2月19日(裁判所ホームページ)

関係法令等

会社法
(共有者による権利の行使)

  • 第106条 株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。

民法
(共有物の管理)

  • 第252条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

(準共有)

  • 第264条 この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。