最一小判 平成26年3月20日 控訴審における証言の信用性評価

2014年11月26日

判決(決定)の概要・要旨

  • 証人の証言を信用することができず、第1審判決には事実誤認があるとして、同判決の認定・判断を是認できないとした原審の判断は、第1審判決について、論理則・経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価することができず、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとした事案。

基本情報

裁判年月日 平成26年3月20日
裁判所 最高裁判所 第一小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 原判決を破棄する。
  • 本件を広島高等裁判所に差し戻す。
担当裁判官 横田尤孝 櫻井龍子 金築誠志 白木勇 山浦善樹
意見
事件番号 平成24年(あ)第797号
事件名 保護責任者遺棄致死被告事件
原審裁判所 広島高等裁判所
原審事件番号 平成23年(う)第165号
原審裁判年月日 平成24年4月10日

最一小判平成26年3月20日(裁判所ホームページ)

関係法令等

刑事訴訟法

  • 第382条 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
  • 第411条 上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
    • 一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。
    • 二 刑の量定が甚しく不当であること。
    • 三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
    • 四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
    • 五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。