最二小判 平成26年3月24日 安全配慮義務違反と労働者からの健康状態の申告

2014年11月26日

判決(決定)の概要・要旨

  • 過重な業務によって労働者が鬱病に罹患し、その症状が増悪した場合において、使用者の安全配慮義務違反等に基づく損害賠償の額を定めるに当たっては、労働者の精神的健康に関する情報について、労働者から使用者への申告がなかったとしても、本件事案のもとでは、当該申告がなかったことをもって過失相殺をすることができない。

基本情報

裁判年月日 平成26年3月24日
裁判所 最高裁判所 第二小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 原判決中,損害賠償請求及び見舞金支払請求に関する上告人敗訴部分を破棄し,同部分につき,本件を東京高等裁判所に差し戻す。
  • 上告人のその余の上告を棄却する。
  • 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。
担当裁判官 鬼丸かおる 千葉勝美 小貫芳信 山本庸幸
意見
事件番号 平成23年(受)第1259号
事件名 解雇無効確認等請求事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号 平成20年(ネ)第2954号
原審裁判年月日 平成23年2月23日

最二小判平成26年3月24日(裁判所ホームページ)

関係法令等

民法
(過失相殺)

  • 第418条 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。

(損害賠償の方法及び過失相殺)

  • 第722条 第417条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
  • 2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。