最一小判 平成27年1月15日 東京都議会の定数配分の適法性・合憲性

2015年1月24日

判決(決定)の概要・要旨

  • 平成25年6月23日に施行された東京都議会議員選挙について、投票価値の較差が、東京都議会において地域間の均衡を図るために通常考慮し得る諸般の要素をしんしゃくしてもなお一般的に合理性を有するものとは考えられない程度に達していたということはできず、本件選挙の施行前に条例の定数配分規定を改正しなかったことが同議会の合理的裁量の限界を超えるものということはできないとした事例。
  • 上記選挙当時、条例による各選挙区に対する定数の配分が東京都議会の合理的裁量の限界を超えるものとはいえず、条例の定数配分規定が憲法の各規定等に違反していたものとはいえないとした事例。
  • 最大判昭和58年4月27日・民集37巻3号345頁、最大判平成5年1月20日・民集47巻1号67頁、最大判平成11年11月10日・民集5353巻8号1441頁、最二小判平成5年10月22日裁判集民事170号231頁参照

基本情報

裁判年月日 平成27年1月15日
裁判所 最高裁判所 第一小法廷
裁判の種類 判決
主文
  • 本件上告を棄却する。
  • 上告費用は上告人の負担とする。
担当裁判官 金築誠志 櫻井龍子 白木 勇 山浦善樹 池上政幸
意見 補足意見(櫻井龍子)
事件番号 平成26年(行ツ)第103号
事件名 選挙無効請求事件
原審裁判所 東京高等裁判所
原審事件番号 平成25年(行ケ)第90号
原審裁判年月日 平成25年12月25日

最一小判平成27年1月15日(裁判所ホームページ)

関係法令等

公職選挙法
(地方公共団体の議会の議員の選挙区)

  • 第15条 都道府県の議会の議員の選挙区は、郡市の区域による。
  • 2 前項の区域の人口が当該都道府県の人口を当該都道府県の議会の議員の定数をもつて除して得た数(以下本条中「議員一人当りの人口」という。)の半数に達しないときは、条例で隣接する他の郡市の区域と合せて一選挙区を設けなければならない。
  • 3 第1項の区域の人口が議員一人当りの人口の半数以上であつても議員一人当りの人口に達しないときは、条例で隣接する他の郡市の区域と合せて一選挙区を設けることができる。
  • 4 一の郡の区域が他の郡市の区域により二以上の区域に分断されている場合における前三項の規定の適用については、当該各区域又はそれらの区域を合せた区域を郡の区域とみなすことができる。一の郡の区域が他の郡市の区域により分断されてはいないが地勢及び交通上これに類似する状況にあるときも、また同様とする。
  • 5 一の郡市の区域が二以上の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区に属する区域に分かれている場合における第1項から第3項までの規定の適用(前項の規定の適用がある場合を含む。)については、当該各区域を郡市の区域とみなすことができる。
  • 6 市町村は、特に必要があるときは、その議会の議員の選挙につき、条例で選挙区を設けることができる。但し、地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)については、区の区域をもつて選挙区とする。
  • 7 第2項、第3項又は前項の規定により選挙区を設ける場合においては、行政区画、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。
  • 8 各選挙区において選挙すべき地方公共団体の議会の議員の数は、人口に比例して、条例で定めなければならない。ただし、特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる。
  • 9 前各項に定めるもののほか、地方公共団体の議会の議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関し必要な事項は、政令で定める。

(都道府県の議会の議員の選挙区の特例)

  • 第271条 第15条第1項から第5項まで及び第15条の2第3項中郡とあるのは、都においては支庁の所管区域を含み、道においては支庁の所管区域とする。
  • 2 昭和41年1月1日現在において設けられている都道府県の議会の議員の選挙区については、当該区域の人口が当該都道府県の人口を当該都道府県の議会の議員の定数をもつて除して得た数の半数に達しなくなつた場合においても、当分の間、第15条第2項の規定にかかわらず、条例で当該区域をもつて一選挙区を設けることができる。

地方自治法

  • 第90条 都道府県の議会の議員の定数は、条例で定める。
  • 2 前項の規定による議員の定数の変更は、一般選挙の場合でなければ、これを行うことができない。
  • 3 第6条の2第1項の規定による処分により、著しく人口の増加があつた都道府県においては、前項の規定にかかわらず、議員の任期中においても、議員の定数を増加することができる。
  • 4 第6条の2第1項の規定により都道府県の設置をしようとする場合において、その区域の全部が当該新たに設置される都道府県の区域の一部となる都道府県(以下本条において「設置関係都道府県」という。)は、その協議により、あらかじめ、新たに設置される都道府県の議会の議員の定数を定めなければならない。
  • 5 前項の規定により新たに設置される都道府県の議会の議員の定数を定めたときは、設置関係都道府県は、直ちに当該定数を告示しなければならない。
  • 6 前項の規定により告示された新たに設置される都道府県の議会の議員の定数は、第1項の規定に基づく当該都道府県の条例により定められたものとみなす。
  • 7 第4項の協議については、設置関係都道府県の議会の議決を経なければならない。

(注)法令は公開日現在のものです。